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人材開発における成長のメカニズムとは
先に持論を申し上げると、成長のメカニズムは4つの要素の掛け算になっていると考えている。
この4つの要素を営業というロールで解説していく。
成長の要素1「 打席数」
何をもって営業力と言うのか諸説あるが、商談をまとめ受注に繋げることが営業の大事な役割であるのは間違いない。受注確率を上げるために、「どれでけ打席に入ったか」は重要な要素。
例えば超大手企業1社を担当として担い、年に1回の契約のために数度の提案機会を持つ営業マンと、多数の顧客を抱えて毎週のように提案機会を持っている営業マンでは経験の数が全く違う。
前者は、PDCAが年に1回しか回らず、1年経験して初めてその会社の営業が理解できる状態なのに対し、後者は仮に毎週5回のプレゼン機会があるとすると年200回以上のPDCAを回すことが可能になる。打席数をどう確保するかはとても大事!
成長の要素2 「打席の質」
先ほどの例を用いると、年に1回の契約のためとはいえ、数多くのステークホルダーを巻き込み、提案のために調査や分析を経て提案資料を作り、顧客経営陣の同意を経ていくプロセスと、型化された仕組みの中で数をこなす営業では、営業行動の質が全く違う。質も高いとは、複雑な仕事で、自由度と責任の大きいような仕事だ。あなたの仕事は質の高い仕事ですか?
成長の要素3「上司の丁寧な指導」
人事界隈では有名な「SL理論」という、部下の習熟度に合わせてリーダーシップや指導のあり方を変えるべきだと示しているものがある。
これそのものが社員成長の因子だと考えている。更に加えて言うと部下の状況をしっかり把握している状態が非常に重要で、目標を適切に調整しながら動機付けしたりサポートする必要がある。
人事視点では、どんなミッションを担い、「誰の下に配属するか」という視点が成長観点で大事だ。分析力や論理的に提案を組み立てる力を鍛えたいのに、人脈を活かしてステークホルダーを巻き込みコミュニケーション能力で営業している上司の下では、伸ばしたいスキルが伸びにくい環境になってしまう。
リーダー行動の使い分けとしてはSL理論なんてものがある。
— Bobson (@Bobson909) December 4, 2019
部下の成熟度によってリーダーシップを使い分けようって話だ。
またゴールマンって人は、EQっていう心の知能指数みたいなものをベースにリーダーシップを6種類に分け、これらを柔軟に使い分けるべきと説く。
兎角使い分けは大事ってことだ。 pic.twitter.com/BFOukwuznQ
成長の要素4「切磋琢磨できる環境」
営業職で新卒入社した際、1つ上の先輩が40代で自分流の営業が確立している環境と、新卒同期が多数いて刺激を与えあい高め合う環境があった場合、モチベーションはおそらく後者の方が高くなるだろうし、結果成長を左右する因子になるだろう。また、成果が出なかったりミスをしたりした際、何度もチャレンジできる環境があるか無いかで成長は変わる。環境づくりは何より大事だと考えられる。
成長環境を整え、パフォーマンスを最大化しよう
4つの要素によってより成長を促すことができるのではないかと提示させていただいた。絶対的なものではなく、あくまで1つの考え方でしかないが、人事としてはぜひメカニズムを明確化し、その要素をどのようにして高めていくか考えていくと社員の成長と事業の成長をより高めていくことができるだろう。