目次
実際に経験した100人の壁
ベンチャー企業
スタートアップ企業では
社員数が30人、50人、100人前後を
迎えるとき組織が壊れやすいと言われる。
特に100人の壁は高い上に分厚く
多くの企業(経営者)を木端微塵にしてきた。
事前にレベルをしっかり上げて
備えなければならないのだが
企業成長のチャンスを優先しすぎて
気づいたらゲームオーバー目前に……。
100人の壁にぶつかってから
武器屋に駆け込み(ツール探し)
ネットで攻略法を調べても
あとの祭り
経営者のうしろには棺桶がズラッと並び
仲間探しからやり直すこともありうる。
私がベンチャー企業に転職したとき
社員数100人をちょうど超えた頃
まさにこの100人の壁にぶつかっていた。
衝撃の入社2日目
1人の営業マンが大型案件を受注した。
おめでとうございます!と声をかけると
返ってきたのは驚きの言葉だった。
やめてください……
制作側にとって大変な案件で
炎上の可能性があるから
素直に喜べないと言う。
なんだろう……
ベンチャー企業のイメージとまるで違う
「ガンガンいこうぜ」じゃないのか。
すぐさま事業部長やマネージャー陣へ
一斉メールを送った。
受注を喜べない会社なんてダメだ
変えていきましょう!!
メールを受け取った全ての人が共感し
受注したメンバーへ拍手を送ることになった。
しかし、変化はほんの一瞬
1週間くらいで元に戻ってしまった。
社員のやる気は高い。
しかし何かおかしい。
おかしいとみんな気づいているのに
どうしようもできない。
そのうちに、離職者の補填に採用が間に合わず
組織を変えたり、ちからわざで対処する
自転車操業の形が続いた。
なかなか高く険しい壁だった。
○人の壁の全体像
※スライド1枚あります。
※一般的な参考文献の表記をお願いの上、
スライドはダウンロードして自由に使って大丈夫です。
記事が長文になっているため
先に全体像(まとめ)を記載。
30人の壁、50人の壁、100人の壁
これらは組織拡大に伴う、言わば企業の「成長痛」だ。
30人の壁
社員数が30人前後まで増えると
社長1人でマネジメントするのが
非常に難しくなる。
社長の属人的経営から
仕組みに支えられた経営へ
切り替わるのに苦戦すると
30人の壁と呼ばれる経営課題に直面する。
50人の壁
まだまだピラミッド組織に移行している段階。
社長から事業部長への権限移譲が進んでいる段階でもある。
事業部長のマネジメント力が低いと
事業課題に直面しやすくなるが
この課題の出現率が一定高いため
50人の壁と呼ばれている。
100人の壁
事業が大きくなり、組織階層が深くなり
整備しなければいけないことが
爆発的に多くなると言われている。
この体制整備の難しさに加えて、
マネジメント力の低い人材が
課長職に就く(就かざるを得ない)
ダブルパンチが放たれ、会社組織を壊していく。
これを100人の壁と呼んでいる。
30人の壁とは何なのか
※スライド3枚あります。
※一般的な参考文献の表記をお願いの上、
スライドはダウンロードして自由に使って大丈夫です。
それまでの組織はと言うと
社長をヘッドに、社員はフラット
ぶんちん型組織になっていることが多い。
30人前後になると
社長1人でのマネジメントに限界が来る。
ちからわざでのマネジメントが難しくなり
もう1人リーダーを立てる。
マネジメント負荷が下がり、
社長は経営に専念。一件落着。
……にならないのが30人の壁である。
ある社員は
「今までジャングルみたいな
なんでもありの会社だったけど
ようやく良い方向に向かいそう」
と話し、またある社員は
「全員野球で働くのが好きだったのに
なんか会社っぽくなってきた。
ちょっとつまらない。」
こんな具合に社員間の“ズレ”が
顕在化してくる。
情報がキチンと伝わらず
社員全体ベクトルを揃えるのが
途端に難しく感じるのだ。
30人の壁とは、
集団から組織に上手く変われない問題のことだ。
つまり、この問題を解決するための糸口は
組織づくりのノウハウを
社長・新任のリーダーが知っているかどうかと言える。
別の言い方をすると
「部長経験があるか」という問いに近い。
課長ではなく部長である。
なぜ部長なのかと言うと、
部長は課長を通してメンバーのマネジメントを行う。
これがポイントだ。
もし経営者に部長経験がないのであれば
早めにマネジメント経験の豊富な人材を採用することを勧めたい。
最後に「30人の壁を防ぐTopics」をまとめると
上のスライド3ページ目にも記載があるが
- 部長経験のある人材を組織のリーダーに
- レポートラインを定める
- 30人組織に適した、マネジメントポリシーとルールを設計し、リーダーと足並みを揃える
ぜひこちらの3点を参考にしてほしい。
50人の壁とは何なのか
※スライド2枚あります。
※一般的な参考文献の表記をお願いの上、
スライドはダウンロードして自由に使って大丈夫です。
30人の壁の出現率は?と言うと
8割くらいではないかと思う。
一方で50人の壁の出現率は
5割を切っている印象がある。
50人の壁に直面するかどうかは
組織化に伴って権限移譲されたリーダー(事業部長)が
キチンと事業運営できるかどうかの
マネジメント力が起因になっているが
ベンチャー企業の多くは
社長と優秀な創業メンバー数名で
立ち上げているので
創業メンバーが事業運営し
その手腕を発揮して
50人の壁が訪れることはなかったというケースが
多くある印象だ。
反対にそういう優秀な人材がいない
もしくは採用できなかった場合は
社長が会社経営の舵を取りながら、
事業部長を育成し、
山積する課題を解決しなければならないので
社長視点で見ると最もヘビーな壁とも言えそうだ。
では、どう対処するのか。
事業部長のマネジメントスキルが低い場合
部下たちが疲弊している可能性が高い。
社員はこれからも増えていくので
疲弊する社員数が更に増えていくリスクを持っている。
しかもその先、100人の壁が待ち構えているので
組織コンディションの悪化が常態化する可能性が高い。
入社する社員が
それに耐えられる・楽しめるタイプならば
課題を最小化させることができる。
個人的には下手に採用をするくらいならば
多少コストがかかっても業務委託などの外部化を
検討してもいいのではないかと思う
また、今まで即戦力になるかどうかのスキルマッチング、
あるいは理念共感マッチングで
採用をしているのだとすれば、
採用要件を見直すことを勧めたい。
そして、事業部長のマネジメント力向上のため
社長自らテコを入れていくしかない。
100人の壁とは何なのか
※スライド2枚あります。
※一般的な参考文献の表記をお願いの上、
スライドはダウンロードして自由に使って大丈夫です。
とにかく大変な壁だ(笑)
事業部長1人育成するのも大変なのに
100人企業ともなると課長職は10名くらいになっている。
組織が大きく、階層が増えているので
情報連絡網1つとっても整備するのが大変になってくる。
そこに、人事制度を再考したい
内部統制が気になってきた
社内システムを整備したい
溢れるTO DOに経営陣や事業部長たちは
疲れ切っているだろう……。
特に頭を悩ませているのが
課長職の下に位置するリーダー職人材の離職だ。
管理職者は、会社からの期待を
役職を持って感じることができるが、
そのマネジメント力が弱いために
色々な「しわ寄せ」がリーダーにいきやすい。
リーダーが疲弊して離職
事業推進のリーダーが離職して組織混乱
もし、新卒1,2年目あたりの若手まで
離職が続いているとすると
立て直しに年単位の時間を要するかもしれない。
そこで大事なのは
経営者のスタンスではないかと思う。
今までは、
主体性もって自走しろ!
足りないものは自らの行動で手に入れろ!
そんな意識で経営していると思われる。
(それで正しいと思う)
しかしそのスタンスでは
組織の統制はかなり難しい。
社員に向き合って、育成して伸ばす
仕組みで社員や組織を支える
というスタンスに切り替えていかないと
壁を乗り越えにくい。
- 経営者が事業部長を育て、事業部長が課長を育てる仕組みを作る(研修だけで人は育たない)
- マネジメントポリシーの課長浸透は特に大事
- 制度、インフラなどの基盤は社内外の専門家の力を使って作る
この3つが100人の壁を乗り越えるための
ポイントではないかと思う。
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